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【エーリカ】
「あー、もうっ……思い出すだけで……むかつくっ……」
魔女が指先でつまんでいたポテチに齧り付く。
口元でカリッと爽快な音が鳴ると、表面に付着していた塩が――“私”に零れ落ちてくる。
【ダリウス】
「うっ……塩が……目にっ…………!」
【エーリカ】
「うるさい、クッション。胸元で喋らないで」
【ダリウス】
「くぅっ…………」
非情な言葉と駄菓子の塩が、私に降りかかってきた。
【フィーネ】
「エーリカさん、州知事さんをいじめたらダメですよ」
【エーリカ】
「いいのよ、こんな脳天気な奴ら。これぐらいみじめに扱ってあげないと、危機感の一つも感じないわよ」
【フィーネ】
「そうかもですけど……」
チラリとフィーネの哀れみを帯びた視線が私へ向かう。
【エーリカ】
「っていうかさ、コレを晒し者にしたって誰も動かないどころか、早々に降伏しちゃってるし」
【エーリカ】
「州知事とか名前だけで、人徳も何もないじゃないの」
無慈悲な言葉と共に、まるでクッションの如く、魔女は私の身体をパンパンッと平手で叩いてくる。
【ダリウス】
「おふぅ……」
【フィーネ】
「あ、エーリカさん、叩いたらダメですってば」