世界観
物語
かけがえのない代償を払い淫気に満ちた廃村『姫香村』から逃げ延びた、
『稜耀学園地文会』。
村での出来事を心の底に封じて日常に戻ろうとする一樹たちだったが、
味わった快楽の記憶と熱は身体から消えず、
学園や自宅で少女たちと情交に耽る爛れた毎日が続いていた。
肉欲に流される日々のなか、突然、
朱理と梓が眠ったまま目覚めなくなってしまう。
そして一樹もまた引き込まれるように眠りに堕ち――。
気がつくと、一樹は深い霧の中にそびえる巨大な屋敷の前に立っていた。
「ここは『姫誘館』。
主様たちの心に根付いた姫香村の意思が生み出した、夢幻の遊廓。
村はまだ皆様を諦めてはいないのです」
困惑する一樹に、姫香村の霧に消えていったはずの籠女……その残滓がそう告げる。
朱理と梓はこの姫誘館に魂を絡め取られてしまった。
このままでは一樹たちも同じようになり、やがて肉体も姫香村に戻されてしまう。
「ですが、今ならまだ間に合います」
そう言って籠女は、一樹に一つの鈴を手渡す。
「私に残った最後の力……この鈴を姫誘館の最奥まで届けてください。 そうすれば必ず、皆様を姫香村の呪縛から解放してみせます」
「けれど、主様お一人でたどり着くことは叶いません。
恐れに打ち克つ絆こそが、
情と欲の支配するこの館を進む標となりましょう」
籠女の鈴の音に誘われ、一樹のもとに集う地文会の少女たち。
朱理と梓を取り戻すため。そして姫香村との決着をつけるため。
一樹は仲間と共に、底知れぬ姫誘館の迷宮へと足を踏み入れる……。
これは再び夢と現を絡め取る、酒池肉林の嬌宴。
彼女たちと迷い込む、楽園の外伝――。
舞台
村の意思が夢のなかに作り出した”姫香村の集合体”。
建物の形は、大きく遊郭風のもの。
建物内にある襖を開けると、姫香村の様々なところに出る。
それは時に村道であったり、診療所であったり――異質な繋がりをみせる。