【キネス】
「うぐっ……!」
指を飲み込んだ谷は、同じようには僕を飲み込んではくれなかった。
入り口からしてそこは僕には狭く、少しばかり先端を飲み込んだところでキネス様は苦悶の表情を浮かべた。
僕が入りづらいということは、キネス様には僕は大きく、身体をこじ開けられているということだ。
【タカシ】
「ううっ!」
【キネス】
「あっ、は、は、くっ……!」
けれど少し入り込んだだけのそこは格別に気持ちよく、身も心も昂ぶっていた僕はもう止まれない。
指を絡めて固く手を握り合い、構造的な身体の拒絶を越える意思を示す。
狭く、侵入を拒もうとする門を裂いてキネス様の身体に入り込んだ。
【キネス】
「く、うっ!!」
身体を裂く痛みにキネス様は強く手を握り、僕は初めて感じる女の子の気持ちよさから手に力を込めた。
性器に受ける気持ちよさはもちろん、キネス様の中にいるという事実もまた僕を射精へと追い込んだ。
【タカシ】
「んんっ、んっ、あ、はぁ……!」
少しでも気を抜いたらこのまま射精してしまいそうだ。
とは言っても、このままただキネス様に包まれているだけも苦しい。
温かく、ぬめる粘膜のひだと蠢動が中にいるだけでも僕を刺激する。
壁から滲み出す粘液はお互いの身体を蕩けさせ、接触による快楽を強めた。
動き出さずにはいられない気持ちよさが僕を苛む。
【キネス】
「動きたいんですか……?」
【キネス】
「お腹の中で、我慢しているみたいに、ビクビクしています……」
【キネス】
「それに、苦しそうな顔……」
【タカシ】
「キネス様は、辛くないですか?」
声には出さなくても身体を裂かれた痛みは時折顔に表れている。
初めての痛みがどれほどのものなのかは僕にはわからない。
でも初めての気持ちよさを考えると、同じだけの痛みをキネス様が背負っているように思えた。
【キネス】
「私は、平気です」