このSSは亮一とすせりが結ばれたというIF設定で作成しています。そのため、どの エンドとも矛盾します。  ありえない展開ですが、本編でいろいろ不幸だった彼を少しでも救済すべく、書いてみ ました。  ちなみに、俺は人気投票で亮一に投票していません。 亮一支援SS「地獄のような天国」  いつもの事だが、天原すせりは嵐のように教室に襲来した。 「亮一っっ、お兄様っっ」  小柄な体躯には到底不釣合いな、大きい弁当箱を二つも抱えている。 「お弁当を届けに参りましたわっ」  どこにそんなパワーがあるのだろう。それをどかん、どかんと二人の男性の前に置いた。  二人の男性。すなわち彼女の義兄である武流と、もう一人はそのクラスメイト、葦原亮 一である。 「おっ、サンキュ」  当然の顔で受け取る武流。そして、 「すまんっ。今月厳しいから、たすかったぁ〜」 「情けない声を出すんじゃありません。それに、これには私の愛情がたっぷりつまってい ますわ。  そこらの学食で買える代物の変わりなどでは、絶対にありませんわ」  こちらも当然のような顔で受け取る亮一に、偉そうに説教するすせり。 「すまんっ。そういう意味でいったんじゃないんだが……」 「ええ、判っていますわ。亮一はただ、いつもの貧乏性が出ただけですもの」 「まいったなぁ」  ぽりぽりと困ったような仕草で頭をかく亮一だが、その表情には不快感はない。むしろ、 じゃれあいを楽しんでいるといった風情だ。 「それじゃ、きちんと味わってくださいましね」  そう言ってすせりは来たときと同様、嵐のような勢いで去っていった。 「しっかし、すせりが料理作るなんて意外だなあ」 「ん。兄として一応弁護するが、あいつはわりと器用だぞ」 「それは説得力がある……」  言いかけて、亮一は教室の空気の変化に気付いた。 ざわざわざわざわ……  注目がこちらに、いや亮一に集まっている。 「?」 「なあ、武原……」  その空気に耐え切れなくなったのか、内の一人が口を開いた。 「なんで葦原の妹がお前にまで弁当を作ってくるんだ?」 「なんでって……」  さすがに返答に詰まる。  そのようすに、はっとした表情になるクラスメートその1。 「まさかっ、ロリコン?」  その一言が起爆剤だった。 「え?武原ってロリコンだったの」 「そういえば、俺、あいつが○等部の校舎で女の子に迫ってるの見た」 「ロリコン?(疑問系)」 「ロリコン(断定)」 「変態だ」 「いや、むしろ犯罪者」 「キモっ」 「ちょっ、ちょっと待て、お前ら。俺はそんなんじゃねぇ」  亮一は慌てて立ち上がった。 「じゃあ、なんなんだよ」 「うっ」  再び返答に詰まる亮一。 「やっぱりロリコンだな」 「ああ、間違いない」 「違うーーーっ」  亮一の悲痛な叫びは、クラスメート達の心に響かなかった。 「ああ、酷い目に会った」 「お帰りなさい」 「ああ、ただ…い……まぁっ!?」  ドタドタと玄関を出てここが自分の家である事を確認し、再び戻る。 「す、すせり……なんで俺の家にいるんだ」 「もちろん。亮一のご両親が留守だと聞いたからですわ」  当然のような答えに、亮一は口から魂が抜けそうになる。  それを急いで戻して続けた。 「だからってどうして、うちに来るんだ」 「はんっ、決まっていますわ。  恋人が家で一人きりとなったら、訊ねていくのが自然でしょう」 「なあ、意味判って言ってる?」 「もちろん」  自分はいささかも間違えていないと言わんばかりの態度に、亮一は頭を抱えた。 「なあ、俺だって男なんだぞ」 「知っていますわ」 「だから、その……なんだ。完全に信用できるとは限らないわけで」 「ああ、そういうことですか」  説明するほうが真っ赤になっているというのに、すせりは平常心そのものだ。 「まったく問題ありませんわ。  私、これでも21歳なんですから」 「それは知っているけど……」  すせりは胸に手を当て、いかにもという悲しい顔を作る。 「それとも、私のことをキライになってしまわれたの……?」 「そんなワケないだろ」 「なら、決まりですわね」 「き、汚たねえ……」 「あら、演技もかけ引きのうちですわ。  おほほほほほほほっ」 「こうなる事は解ってたんだ……」  二人だけの時間は終始、すせりペースで進んだ。  それが嫌なわけではない。そんな彼女の性格を知って付き合いだしたのだから。  だが、これは少しやりすぎではないだろうか。  亮一はそう思った。 「あむ……ぴちゃ……ひもふぃいいれすふぁ?」 「あ、すっげえ気持ちいい」  すせりのペースで進んでいくうちに、いつの間にか彼女は亮一の肉棒をくわえていた。 「さて、こちらの準備は良いようですわね。  私もすっかり出来上がりましたわ」  そう言って立ち上がった彼女の体は、上気し艶めいていた。 「なあ、すせり……」 「私の初めてを、今捧げますわ」  そして、自らの入り口を肉棒に沈めて行く。 「痛っ……」  止めようとすれば、亮一は止められたであろう。だが、すせりの真摯な表情がそれをさ せなかった。何よりも、そこまで思われているという嬉しさがあった。 ズチュチュチュチュ  歯を食いしばりながら、すせりは亮一を飲み込んでいく。そして 「もう、おなか一杯ですわ……」  ついに、すせりの膣内が亮一ので満たされた。脂汗を流しながら耐える彼女の様子に、 さすがに引き抜こうとする。  が、 「抜きやがったら、ぶち殺しますわよ」 「おい。そんな事言ってつらいんじゃないのか」 「何を言っているのです。この痛みを刻み付けたいのですわ」 「すせり……」 「だって、亮一はいつかいなくなるんですもの。私は一人になってしまいますもの」 「う……」  そうだ。寿命が違う以上、亮一が先に逝く可能性は高い。いや、何の波乱も無ければ、 すせりは彼を失ってからの人生のほうが長いはずだ。 「わかった」 「亮一……」 「こんな俺でよければ、刻み付けてやるよ」  その答えにこくりと、すせりは満足気に頷いた  翌日。 「はい、お弁当ですわ。  それにしても、人の家の台所は使いにくいですわ」  亮一達に弁当を届けたすせりは、そう言って“なにかがまだ股間に挟まっているような 仕草”で彼らの教室を後にした。 「なあ、彼女、変な歩き方してなかったか?」 「ああ、まさか武原、ヤっちまったとか?」 「……………」 「なんで黙るんだっ」 「いや、その……」  しどろもどろな亮一。それは、クラスメートの勢いに油を注ぐ事となる。 「そういえば、さっき下級生の子が葦原の妹が無断外泊したって騒いでいたような……」 「て、事は?」 「ロリコンだっ」 「やだー、武原君ってロリコンだったんだ」 「てゆうか、犯罪?」 「そうよ、犯罪よ」 「ちょっと待てお前ら。好き勝手言いやがって」 「お。何か反論あるのか」  思わずどなったものの、事実を元にしているだけに亮一は言葉に窮した。 「すせりは……あの子は……」 「あの子は?」 「………ああ見えてもう、21歳なんだ」  しばしの沈黙。 「嘘つけぇぇぇぇぇぇ」  クラスメート達一斉の大非難。 「開き直った、こいつ」 「て、事はやっぱりヤったのか」 「なんてヤツだ」 「ロリコンだ」 「変態だ」 「待て、落ち着いてくれ」  それに押しつぶされそうになりながらも、亮一は少しだけ幸せそうだった。